大東高校の日々 号外(弓道部)
躍進・大東高校弓道部
弓道部の歩み
今日も高らかに弦音が響く──。2000年にグラウンド脇に建て直された道場では、現在も生徒達が日々の修練に励む。大東高校の弓道部には長年にわたって部員をご指導頂いているコーチの存在があり、2018年からは部活動指導員の助力も加わった。手厚い指導を受けてきた生徒達は着々と力を伸ばし、今では各種大会で多数の入賞を果たしている。
順調な右肩上がりで進んできたわけではない。前半で好成績を収めたかと思えば、後半は絶不調。恐れを抱きながら臨んだ次の大会では上位入賞。そんな成功と失敗を幾度も繰り返して、自分達の今の実力と常に向かい合いながら、少しずつ経験と自信を積み重ねてきた。
上級生が下級生を指導し、下級生は上級生のあり様や戦績を見て奮起する。上級生の練習方法を見習いながらも、代替わり後は自分達がより必要とする内容を求めて工夫する。部員たちの自主性を最大限に尊重することで、弓道部は磨かれ練り上げられている。
令和3年度第60回岩手県高等学校新人大会弓道競技大会報告
女子 団体 大東高校 優勝(初)・射道優秀賞(初)
部長:藤野心晴+主将:松山遥佳
1日目は、緊張と不安で会と離れが安定せず、苦しいスタートでした。その日のミーティングでは、普段の練習通りに弓を引くことを確認し、会では正しい方向に伸び続け、残心につながるように意識しました。そうして2日目は『自分達らしい射』で、1射目が外れてもすぐに気持ちを切り替え、次の射に集中して的中につなげることができました。決勝トーナメントでは県南地区の高校からの応援に力をもらい、同中競射では仲間を信頼し合って、大会の楽しさを実感しました。初優勝と射道優秀賞を頂くことができ、「大東高校」の名を記録に残せたことを大変嬉しく思います。
学校敷地内には6人立の弓道場があり、地元の方々に支えられて部活動を行っています。岩手県弓道連盟副会長(一関弓道会会長)の足利幸吉さんは、長年にわたってコーチを務めて下さり、射技だけでなく体配や心構えなどもご指導頂いています。部活動指導員の石川雅さんは、初心者の私達に一から教え、基本を忘れないように繰り返し丁寧に声をかけて下さり、私達の活躍を一緒に喜んでくれました。国体成年男子選手の及川陸夫さんは、指導のほかにご自分も練習に参加されるので、射を直接見せてもらうことも、とても良い勉強になっています。皆さんは、大東高校のOBで私達が尊敬する方々です。こうした恵まれた環境で弓道ができることに、とても感謝しています。
平日は、限られた2時間の活動でも多くの本数が引けるように競射1回と射込みを行っています。土曜日は、競射を増やした実戦形式での練習や段級審査に向けて指導を受けています。日々の練習で意識していることは『射形の綺麗さ』です。動画撮影やスロー再生を活用して射形を見直したり、コーチの皆さんや部員からのアドバイスを書き残して振り返ることで技術を磨いています。調子が落ちてつらい時には、励まし合える仲間の存在がモチベーションを維持させてくれます。
今後の目標は、試合前半から安定した的中を出せるよう、緊張した場面でも充実した会をもつことです。会を楽しめる強い気持ちを持つことを心掛けて練習し、大会の緊張の中でも『自分達らしい射』を発揮していきたいです。
部活動の様子
令和4年度
GOOD LUCK STORY#710「大東高校女子弓道部」(2022年7月3日放送)
毎週日曜日21:54〜 岩手めんこいテレビの「GOOD LUCK STORY」で放送されました。
わずか5人の部員で、女子弓道部が大会を制しました。この春から部員も増え、新なた目標に向かって弓を射る。
そんな先輩の後姿を追いかけて、後輩も頑張っています!
令和5年度
弓道部紹介
(生徒会誌 部活動紹介より抜粋)
2020年(令和2年):女子部長 渡辺由芽(2年)
今年度の弓道部は自分自身と向き合い精神面や技術面において成長することができました。前年度と比べると、大会出場が少なく高揚感を味わう機会が減ってしまいましたが、一つの大会を目の前にした時の心構えや練習態度が格段に良くなりました。自主的に朝練に取り組み、反省を踏まえた指導を部員同士で行うなど技術向上に向けての行動が練習態度や実力に表れていました。
練成会や選抜大会など、例年より少ない大会では、自分の実力を発揮できた人と残念ながらできなかった人もいて、共に涙を流し(中略)部活動に参加する仲間がいる中で、どれほど今の弓友を大切にしているのかを知ってほしいです。部員全員が弓道を楽しみながら実力向上を図る『かけがえのない部活』(弓道具:弽【カケ】)にしていきたいと考えています。自分の射形に不安があるのならば、先生方やコーチ、部員がいます。春になれば新入部員も入り、今まで自分たちが学んできたことを伝えなければなりません。そのためにも責任感を持ちながら部員全員今後とも部活動に励んでいきます。
2021年(令和3年):女子部長 藤野心晴(2年)
弓道部は「正射必中」を大切にし、インターハイ出場を目標に活動しています。練習では、射込みを中心に行い、基本の射法八節に則った射形を意識して的中率を高めています。コロナ禍で試合経験が少ないながらも、間合いや場の雰囲気づくりを工夫し、県高総体、選抜大会ともに三位に入賞し、東北大会に出場を果たしました。なかなか思うような射を実践することができなかった時もありましたが、悔しさをバネにしてそれぞれの課題を見つける事で、次の試合での活躍に繋げられました。これからも一射一射の質を高め、丁寧に弓を引くよう心がけ、大きなプレッシャーのかかる上位大会でも自分の射ができるようにしていきます。
個々人に合った指導や道具のメンテナンスなど、充実した環境を整えてくださる先生方やコーチに感謝を忘れず、より一層精進していきたいです。(中略)今まで学んだことを伝え、共に理想とする『まとまったチーム』(弓道具:的)を作り上げていきたいです。
2022年(令和4年):男子部長 岩渕壱平
弓道部では、「正射必中」を大切にして活動しています。今年度も一年生がたくさん入部し、活発に練習に取り組むことができています。練習では、射型を意識して射込みを中心に行い、的中に繋げられるように日々鍛錬しています。選抜大会では男子が準決勝まで勝ち進むことができました。(中略)それぞれの課題を見つけ、練習に活かすことで次の試合に繋げることができました。また、段級審査を受けることで、普段の自分たちの細やかな動作や気迫など弓道の神髄に通ずる部分の確認ができました。丁寧に練習したことが、日ごろの部活動の時から気を付けるきっかけになりました。
これからも、射型を意識して練習し、一射一射丁寧位に弓を引くよう心がけ、大会でも常に自分の射ができるようにしていきます。道具も揃い、教えてくださる先生方やコーチがいるこの充実した環境に感謝しながら練習に励み、日々精進していきたいと思います。
春になれば新しい部員も入るので、自分たちが今まで学んできたことを伝え、今までにない「斬新なチーム」(射道八節:残心)を作り上げていきたいです。
近年の成績
【入賞・上位大会出場】
県高総体
男子 団体 best8決定戦敗退(令和5年度)
個人 準決勝(令和4年度)
女子 団体 best8(令和3年度)
個人 3位(令和3年度)⇒東北大会出場
女子 団体 3位(平成30年度)
県新人
男子 団体 best8(令和4年度)
女子 団体 優勝(令和3年度)⇒東日本大会出場
団体 射道優秀賞(令和3年度)
県選抜
男子 団体 best4決定戦敗退(令和4年度)
best8(平成30年度)
個人 4位タイ(令和4年度)
3位(平成30年度)⇒東北大会出場
女子 団体 3位(令和3年度)⇒東北大会出場
団体 射道優秀賞(令和3年度)
県選手権(個人戦のみ)
男子 個人 5位(令和5年度)
県遠的選手権(団体戦のみ)
女子 団体 優勝(令和5年度)
その他(地方大会)
団体や個人で入賞多数
おわりに
こんなに活躍している先輩達も中学校では他の競技に取り組んでいました。文化部で運動が苦手だった人でもしっかり弓が引けるようになります。弓道部を選んだ理由は、「袴姿に憧れて入部!!」や「高校で入賞したい!」など様々です。
先輩たちから基礎を教えてもらい、初めて的中した時は飛び跳ねるほど嬉しさでいっぱいです。初めての大会では足が震える緊張の中で『頑張っている自分』と出会えます。より高みを目指し修練に励む事で、部活動が生活の一部となり『麗しの毎日』を送る先輩たちがいます。喜びや悔しさの涙があるからこそ、青春の部活動です。
「中学3年生の皆さんへ 大東高校に進学して、新たな競技(弓道)にチャレンジしてみませんか?」